「用」「形」「空」を大切にしたプロダクトデザインで日常を彩る-日本が世界に発信するオリジナルアイテム[FROM NIPPON:岩手県釜石市]

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「用」「形」「空」を大切にしたプロダクトデザインで日常を彩る-日本が世界に発信するオリジナルアイテム[FROM NIPPON:岩手県釜石市]

FROM NIPPON

プロダクトデザイナー

境 悠作様

 

日本の象徴・富士山を思わせるキュートな器、長い年月に育まれた柾目が優しい波に姿を変えた皿…目が喜ぶことはもちろん、「触れてみたい」「使ってみたい」と感じるのがFROM NIPPONのプロジェクトから生まれた品々です。

プロダクトデザイナーの境 悠作さんにものづくりの視点や発想の源についてうかがいました。

 

プロダクトデザイナーとしての思い

 

プロダクトデザイナーという仕事を選んだきっかけは、ものづくりを通して日本の企業の99.7%を占める中小企業になんらかの貢献ができないかと考えたからだという境さん。

「デザイン製品の製造・販売というと、従来は自社の技術や感性に頼ったプロダクト・アウト型が主体でした。しかしSDGsも含め、実は「誰に売るのか」「誰がこの製品を求めているのか」に注目し、経営的な分析を行いながら創っていく<デザイン経営>が必要だと思います。プロダクトデザイナーとしてそこに携わっていければと」。

 

そんな境さんには、プロダクトデザイナーとして大切にしている3つの概念があります。

それは「用」「形」「空」です。

「「用」というのは使いやすさ、「形」は美しさ、「空」は少しわかりにくいかもしれませんが、その商品が特定の空間やライフスタイルをこわさないという概念です。この3つの「美」を備えたものは、使う人の生き方に寄り添うデザインといえます」。

FROM NIPPONプロデュースの製品を手にした方は、境さんのこの言葉を身と心で感じることができるでしょう。

 

地方と都会ではなく、つなぐのは地方と地方

 

今、境さんが面白さを感じているのは、地方と地方をダイレクトにつなぐという試みだそう。「地方同士が連携していくことで、ブランドがぶつからない上に、今までになかった価値を創造できるのがとても興味深いです。例えば私が移住した釜石では、最新トレンドのひとつとして、釜石と大隈半島の町とをつなぐ「半島同盟」というユニークなコンセプトが動き始めています」

地方活性化のためのものづくりというと、なにもかも地元で調達することが美学のように思われがちですが、越境することでより良いものが創れることも多いと境さんはいいます。「多くの人との関わりの中から生まれた製品がより多くの人に受け入れられていけば、それが地域の問題の解決にもつながっていくと思うのです」。

 

「守破離」のものづくりから、他では決して出会えない逸品が誕生する

 

FROM NIPPONのものづくりは、文化や技術の継承を大切にしながら、それをより進化させて新たな価値を創造し、日本から世界へつないでいくというコンセプトにもとづいています。境さんはそれを日本の芸道の思想である「守破離」になぞらえてくれました。

「伝統工芸の曲げ物でいえば「手で曲げる」という部分-技はアイデンティティであり、「守」り、伝えていくべきところ。その上で「破」る。例えばその技がより生かせる新しい素材をとりいれるといったことなど。そしてそこから新しいものを創造していくのが「離」です」

 

<隼波 -hayanami->

このような境さんの思いを知った上で、今回カタルモールに出品していただいた商品のひとつ、「隼波 -hayanami-」と名付けられた皿を見ると、改めてそこに息づく伝統の技と鮮烈なデザイン性、機能性に瞠目させられることでしょう。「隼波 -hayanami-」は匠の技が集結するLEXUS NEW TAKUMI PROJECTで福岡県匠にも選出されています。

「これを手がけた当時は波に興味があっていろいろ勉強していたんです。そして美しい波、使いやすい波とはどんなものだろうと考え、波を表現するツールとして皿、波をもっとも美しく表現できる技として曲げ物にたどり着きました。でもそれを形にしてくれるところを見つけるのが大変で」。そんな中で出会った福岡県の伝統工芸技術・博多曲物の工房『玉樹』の協力を得て、樹齢200~300年の奈良吉野杉の柾目をさざなみを思わせる曲線美にすることができたといいます。また、器としての安定性を高め、量産を可能にするためには「樹脂含浸」という先端技術も利用していて、一見シンプルに見える皿のなかに多くの人の知恵と技が結集しているのです。

 

<山葵山>

もうひとつの製品、山葵山もしかり。「これは醤油に溶かない時のわざびの居場所を作りたい」ということから発想したデザインなんです。笑」と境さん。わさびの辛さ=噴火のイメージで富士山の火口にわさびを置くという演出は一度見たら忘れられないほど印象的。そして、わさびが真ん中にあることでどこからでもとることができるという機能性も兼ねそろえています。

「これは佐賀県の備前吉田焼きさんにご協力いただきましたが、美しい高さと使いやすさのバランスに試行錯誤しました。それと、この形なので鋳型を作れるところも限られていたのでそれを探すのも難しかったですね」と境さん。

 

この2点だけをみても、FROM NIPPONがプロデュースした商品は、その独創性の高さで強く人の心に響き、「これがどうしても欲しい!」と感じて愛用する人が多いということに納得です。

 

プロダクトデザインを手がけてよかったと感じる時

 

「商品ですから売れることは大切。これははずせません。売れるということは、その商品が適正な価値をもっていると認められることですし、そのことで作り手も誇りをもてます。そしもちろん売り上げは収益性を改善します。加えて、そのものづくりが資源廃棄物削減といった社会的課題の解決につながったとき、プロダクトデザイナーとして大きなやりがいを感じますね」という境さん。

 

FROM NIPPONが世界にむけて発信する「日本でしか作れない・日本だから作れる」画期的なデザイン製品。手元に置けば、毎日がより美しいものとなることでしょう。

 

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