”600のアイデアを考えた”  しなやかに「曲がる木」だからこそ作れる製品 [名古屋木材株式会社:愛知県名古屋市]

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”600のアイデアを考えた”  しなやかに「曲がる木」だからこそ作れる製品 [名古屋木材株式会社:愛知県名古屋市]

「これ本物の木なの?」

名古屋木材株式会社が手がけるiLignosシリーズの商品を初めて手に取ると、誰もが驚きを隠せません。軽量で、柔らかく開閉できる手帳、かかとのカーブに優しく沿い、使い終わると平らに戻る靴べら…いずれも木製とは思えないしなやかさですが、美しい木目とほのかな香り、手になじむナチュラルな質感は、これらが天然木で作られていることを如実に語っているのです。

iLignosの素材は、私たちが持つ木の概念を鮮やかに覆す「曲がる木」。その魅力を開発を担当されたおふたりに教えていただきました。

 

 

木を強固にするための技術から生まれた曲がる木

 

名古屋木材株式会社は長きにわたり木とともに歩んできた企業であり、木材を通して循環型社会形成に貢献するというビジョンの元、幅広い視野で木材の可能性を追求しています。

その中で代表者が着目したのが岐阜大学で研究されていた圧縮木材でした。

共同研究によって開発されたLIGNOTEX(R)という技術では、水蒸気を加えながら圧力をかけることで木材の硬度・強度、そして質感までも飛躍的に高めた特別な圧縮木材を作ることができます。

そしてこの圧縮技術の応用研究で、なんと当初の目的とは真逆ともいえる「曲がる木」が作れることがわかったのです。「木材を圧縮した後、圧縮状態を少し復元させると木の可撓性(かとうせい=しなる性質)が高まるんです。その性状が生きたままで半固定化することで「曲がる木」を作ることができます」と、商品開発室室長の竹田 博さん。名古屋木材株式会社ではこれをLIGNOFLEX(R)と名付けています。

「こちらがiLignosシリーズに使っている圧縮木材です」と見せてくれたのが稲垣貴大さん。一見、すぐにパリンと割れてしまいそうな薄い板なのに、稲垣さんが手でたわめると見事なアーチ状に曲がりました。

木材をこれほどしなやかにできる加工技術にあらためて瞠目です。

 

 

 

 

しなやかに曲がる木だからこそ作れる製品がある

 

名古屋木材株式会社が開発した世界で初めての「曲がる木」。でも自社での商品化には少し時間がかかりました。「何に使うのがいいのか、400、いや600くらいアイデアはあったのですが…」と稲垣さん。そんな時に耳にしたのが、免許証を靴べら代わりに使っているという人の話です。「だったらこれも靴べらに使えるんじゃないの、と。同じくらいの厚みで、しなりもいいわけですから」。早速試作したところ、おしゃれで使い勝手も良い。iLignosシリーズの第1号「iLignos Shoehorn」の誕生です。その後、発売に至ったのは木目に沿って曲がるLIGNOFLEX(R)の性質を最大限に生かしたデザインのシステム手帳、本体の樹種やカバーの裏地にもこだわった名刺入れなど。iLignosシリーズの商品は、いずれも見た目のインパクトはもちろん、天然木ならではの心地よさで使う人の日常を豊かに彩ってくれます。

 

 

 

 

手に取るたびに癒やしを感じる天然木アイテム

 

iLignosシリーズに使われているのは主に奈良県産の吉野杉。「木目がまっすぐで年輪幅が狭い吉野杉は「曲がる木」にとても適しているのです」と竹田さん。

思わず見惚れる柾目(まさめ)の美しさに加え、化学薬品を一切使わず圧縮加工しているので杉ならではの清々しい香りも感じることができます。「私たちは普段から木に囲まれてるのであまり気づかないのですが、お客様は商品の箱を開けた時から良い香りがすると喜んでくださいます」とのこと。

ラテン語で木を意味するlignumに、「私」「愛」をイメージする「i」を加えて造語したiLignos。天然木を丁寧に加工した素材で作るため商品に現れる木目はそれぞれ異なります。気軽に持ち運びができる世界にたったひとつのアイテムで日本の樹木、そして技術の素晴らしさを体感してみませんか。

ネームなど文字入れも可能なので、大切な方への贈り物としても最適です。