伝統的な手づくり製法で造くられる料理に寄り添うお酒[鶴乃江酒造株式会社:福島県]

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伝統的な手づくり製法で造くられる料理に寄り添うお酒[鶴乃江酒造株式会社:福島県]

鶴乃江酒造株式会社

社長 向井洋年様

 

江戸時代に会津藩の城下町として栄えた「会津若松」。現在でも「鶴ヶ城」や「会津武家屋敷」など、会津藩ゆかりの建物が残り、歴史や伝統・文化が息づいています。また、会津は酒造りが盛んな土地。たくさんの酒蔵がありますが、そのなかでも200年以上の歴史があるのが「鶴乃江酒造(つるのえしゅぞう)」です。今回は、現社長の向井洋年さんに、「鶴乃江酒造」の酒造りについてお話を伺いました。

 

会津若松で創業から200年以上も続く老舗酒蔵

 

会津若松の七日町通りは、江戸時代から昭和にかけて会津で一番の繁華街として賑わっていた通りです。明治から昭和初期にかけて建てられた町家や洋館、蔵などが立ち並び、趣がある町並み。その七日町通りに面した「鶴乃江酒造」は、江戸時代から200年以上も続く老舗の酒蔵です。

 

「鶴乃江酒造」は寛政6年(1794年)に、会津藩御用達頭取を務めていた永寶屋(えいほうや)一族から分家して屋号を「永寶屋」として創業。以来、この場所で伝統的な酒造りを行っています。明治に入って、会津のシンボルである「鶴ヶ城(つるがじょう):日本の100名城の1つ。白虎隊や戊辰戦争の舞台となったことで有名」の「鶴」と、猪苗代湖(いなわしろこ:会津若松市など2市1町にまたがる湖で、日本4番目の広さを誇る)を示す「江」から取って「鶴乃江」とお酒の名前を変えました。

 

「鶴乃江酒造」の杜氏(とうじ:酒造りの最高責任者のこと)の坂井義正さんは、令和元年に「黄綬褒章」を受賞された名杜氏。「現代の名工」も受賞されています。

 

守り続けてきた伝統的な製法で造られるお酒

 

 

鶴乃江酒造が造っているのは、代表銘柄である「会津中将(あいづちゅうじょう)」、鶴乃江酒造のかつての屋号を冠した「永寶屋」、そして杜氏の娘の名前がつけられた「ゆり」。どの銘柄も、昔ながらの手づくり製法でていねいに心をこめたお酒です。

 

「会津中将」は、会津松平藩の藩祖である保科正之(ほしな まさゆき:徳川家光の弟。産業振興や貧民救済などで功績を残し日本屈指の名君として知られている)の官位「従三位会津中将肥後守」にちなんで命名されたお酒です。若い人にも飲んでもらうために、軽快で甘みがあって香りが良いお酒を造りたいという思いで仕込んでいます。2021年度全米日本酒鑑評会では、大吟醸Aで「会津中将 純米大吟醸 特醸酒」が金賞を獲得。これは2020年度に続き2年連続の快挙です。他にも全国新酒鑑評会やSAKE COMPETITIONなどさまざまコンクールで受賞しています。

 

理想とするのは料理に寄り添うようなお酒

 

 

海外で日本酒の人気が高まるなかで、日本国内の消費量は年々減り続けています。その様な環境の中、経営難や人手不足で廃業を余儀なくされる酒蔵が増えています。鶴乃江酒造も数年前までは、苦しい経営状態だったそうです。しかし、コンクールに出品し賞を取ることで、徐々に鶴乃江酒造の名前とそのお酒の美味しさが知られるようになり、その人気を確たるものにしました。

 

向井社長が目指しているお酒について伺うと、「口に含んだ時に、お米のうまさとほんのりとした甘みを感じて、後味のすっきりとしたお酒」。「料理と寄り添うような、晩酌で毎日飲んでも飽きないようなお酒」とのこと。そんな理想のお酒をつくるために、これからも酒質にこだわり、一つひとつの商品の完成度を上げていくのが目標だそうです。

 

最後に、鶴乃江酒造のお酒をどんな風に飲んで欲しいのかお聞きしました。「一日の自分へのご褒美や自分への労いの時間を、鶴乃江酒造のお酒で過ごして頂けたら有難いと思っています」とのことでした。