シンプル和モダン 五本指下駄GETALS [嵯峨乃や:岐阜県恵那市]

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シンプル和モダン 五本指下駄GETALS [嵯峨乃や:岐阜県恵那市]

一日中立ちっぱなし、座りっぱなしでお仕事をする毎日は、足がむくんだり、体内の循環が悪くなったり、とてもつらいですよね。

靴を脱いで足指を伸ばした解放感を、日常的に履いて味わえる、五本指の下駄があります。それがGETALS(ゲタル)。開発された、岐阜県恵那市の嵯峨乃や代表の大森さんにお話を伺いました。

 

 

シンプル和モダン 五本指下駄GETALS

 

白木の台座に、シンプルなデザイン鼻緒を組み合わせたGETALS。

鼻緒を止める部分を「前ツボ」と呼びますが、GETALSはこの前ツボが4つあり、足指を1本ずつ入れて履くのが大きな特徴。普通の下駄よりも足にフィットし、しっかりと踏みしめることができます。

五本指靴下を履いたことのある方には伝わりますね。足指を開放することには様々な健康効果があるといわれています。足指の運動が容易にできて、気持ちがいいだけでなく、体の巡りがよくなります。もちろん外反母趾対策にも。

台座には岐阜県の県産材である東濃ひのきを使用。ひのきの肌目の美しさとひのきの芳香がリラクゼーション効果を高めます。

外履きと室内履きがあり、ジーンズやスカートなど普段着に合わせて、気軽に楽しむことができます。

 

 

地面をしっかりと掴む5本指の下駄

 

京都で生まれ、奥様のご実家のある岐阜県恵那市で、着物のクリーニングやメンテナンスを取り次ぐ「悉皆(しっかい)」というお仕事を始められた大森さん。

GETALSを作り始めたきっかけは、顧客である着付けの先生から、「五本指の下駄は作れない?」と相談を受けたことでした。

着物を美しく着るためには、五本の指でしっかりと地面をとらえることが重要。下駄や草履などは足指を使って踏み込まないと歩けないので、自然と足指が鍛えられます。それに対し、靴は足を上から覆ってくれるので、足を踏ん張らなくても歩くことができます。そこで、着物を着たときに、体を支え美しく立ち、歩くことができなくなっているというのです。

そこで足指をしっかりと広げ、普段の生活でも履くことができる5本指の下駄を開発。2013年にGETALSファーストモデルが完成しました。

 

 

もっといい製品を作るために、自社生産を開始

 

当初は台座も鼻緒も、もともと下駄を作っている工場に外注していました。しかし、普通の下駄をベースに作っていたので、形状的な問題が発覚。

普通の下駄は左右が対象です。つまり、右左取り換えて履いても大丈夫。前ツボは真ん中についていて、そこを親指と人差し指で挟むので、小指を少し落として履くのが粋と言われます。ところが五本指にしたときに、親指と人差し指の間を真ん中にすると都合が悪い。

そして、通常の鼻緒は芯を入れてV字に付いているため、そこから単純に足指の間に鼻緒を引っ張ると、足へのあたりがきつくなって痛い。

しかも、現代では下駄裏に貼ったゴムも耐久性がなく、毎日履いていただくには耐えられない。

お客様のそんな声を受け、思い切って自社生産に切り替えました。商工会議所や銀行に相談し、ものづくり補助金を受け、木工用NCルーターと工業用ミシンを導入。デザインも改良し、さらに足に優しく、ぐっと洗練された印象に。意匠登録、商標登録もし、すべてオリジナルで製造できる体制が整いました。

大森さんは、「50台で人生最後の挑戦。お金を貸してくれた銀行もすごいし、自分でもよくやったな、と思います」と振り返られます。

 

 

家事もオフィスワークも、履きながら健康に

 

もともとは外履き下駄として開発されたGETALS。今は、一年中履ける室内履きをすすめたいと考えています。

当初の購入者は、年齢の高い女性に親しみやすく、健康サンダルのような感覚で一日中履かれるケースが多くみられました。

地面をしっかりと踏むことは、健康への第一歩。足指が広がるGETALSはオフィスワークにもぴったりです。現在はリモートワークや、状況が許せばオフィスでも、パソコン仕事中に履きたいという声も増えてきたといいます。百貨店の催事では、リモートワーク中のご主人の体を気遣った奥様が買われるケースも見られたそうです。

 

 

「お客様につらい思いをさせるのが嫌」大森さんのサービス精神

 

大森さんから感じられるのは、お客様の思いを実現したいというサービス精神。「お客様につらい思いをさせるのが嫌なんです」と語ります。自信をもって世に出した当初モデルでしたが、「1か月でソールが擦れて履けなくなった」「鼻緒が硬くて履けなかった」という声を聞いて、心を痛めていたそうです。それが、大幅なモデルチェンジをし、自社生産に踏み切る原動力となりました。

「最初はお客様に言われて始めたことですが、今は下駄を通してお客様を健康にできる、すごく良いことをしている実感があります。自分の使命だと思っています」と語ります。

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